文化時評

  • 悲劇に横たわる夫婦愛~「能に描かれた念佛」第2回公演「清経」

      大津市伝統芸能会館の2023年度能楽公演「能に描かれた念佛」は9月2日、世阿弥の名作として名高い能「清経」を「替之型」の小書で上演した。小書とは番組の曲名の左脇に小さく書き出すもので、普段とは異なる特殊演出のことである。シテを勤めたのは京都の観世流能楽師、吉浪壽晃。優美な謡と情感的な舞で...
  • 極楽往生の教え描く舞台~「能に描かれた念佛」第1回公演「誓願寺」

      7世紀創建と伝わる湖国随一の古刹にして、智証大師円珍による再興より、中世に至るまで比叡山延暦寺と勢力を二分した天台寺門宗総本山・長等山園城寺。むしろ境内に湧く霊泉に因んだ三井寺の称を挙げたほうがわかりやすいだろうか。近江八景の一つ「三井の晩鐘」や日本三不動の国宝「黄不動」で名高く、能「三...