5月新刊『『永平広録』「上堂語・小参」全訳注(下)』
5月の新刊、『『永平広録』「上堂語・小参」全訳注(下)』が発売となりました。
本書は、道元禅師(1200-1253)の仏教観・禅思想を理解するために欠かせない第一級の文献ながら、これまで、『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』や『正法眼蔵随聞記』の陰に隠れて顧みられることの少なかった『永平広録(えいへいこうろく)』に光をあてる著作です。
上下2冊からなり、『永平広録』(全10巻)の中でも道元禅師の仏教思想・禅思想の解明に必須の「上堂語(じょうどうご)」と「小参(しょうさん)」を取り上げ、通読できる流麗な現代語訳と詳細な訳注をもってお届けします(原漢文も併載)。
道元禅師が探求された「正伝(しょうでん)の仏法」とは何かを、直(じか)に教えて頂いているかのような感覚で読むことができる本です。
(上)には『永平広録』の巻1から巻4まで、本書(下)には巻5から巻8(小参)までを収載します。なお、(上)には解題、(下)には道元年譜・道元関連禅宗法系図が付されています。
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『『永平広録』「上堂語・小参」全訳注(下)』
木村清孝・著 ¥4,180(税込)
作品紹介:道元(1200-1253)の思想的全体像を知るためには、その主著『正法眼蔵』とともに説法や法話を集めた語録『永平広録』の読解が不可欠であります。
本書(上下2巻)は『永平広録』の原漢文(白文。底本は門鶴本=祖山本)・現代語訳文・訳注からなり、下巻は巻第5から巻第8(小参)までを収載しています。
巻末に道元年譜・道元関連禅宗法系図が付いています。
木村清孝
一九四〇年(昭和十五年)、熊本県に生まれる。東京教育大学文学部哲学科倫理学専攻卒業、東京大学大学院人文科学研究科印度哲学専門課程博士課程単位取得退学。文学博士(東京大学)。専攻は中国華厳思想、東アジア仏教思想。四天王寺女子大学教授、東京大学教授、国際仏教学大学院大学教授および学長、鶴見大学教授および学長などを経て現在、東京大学名誉教授、仏教伝道協会会長、曹洞宗大本山總持寺顧問、函館少年刑務所教誨師、曹洞宗龍宝寺(北海道函館市)東堂を務める。
おもな著書に『初期中国華厳思想の研究』(春秋社)、『中国仏教思想史』(世界聖典刊行協会・パープル叢書)、『中国華厳思想史』(平楽寺書店)、『華厳経入門』(角川ソフィア文庫)、『東アジア仏教思想の基礎構造』(春秋社)、『正法眼蔵全巻解読』(佼成出版社)、『教養としての仏教思想史』(ちくま新書)、おもな訳書・共訳書に『華厳経』(筑摩書房・仏教経典選5)、『十住経・兜沙経・菩薩本業経・文殊師利発願経 他(インド撰述部・華厳部⑤─4)』(大蔵出版・新国訳大蔵経)、おもな共著に『仏教の東伝と受容(中国Ⅰ・南北朝)』(佼成出版社・新アジア仏教史06)などがあるほか、研究論文が多数ある。
(※略歴は刊行時のものです)
【目次】
凡 例
道元和尚広録第五 永平禅寺語録
道元和尚広録第六 永平禅寺語録
道元和尚広録第七 永平禅寺語録
道元和尚広録第八 越州永平禅寺玄和尚小参
あとがき
『永平広録』主要参考文献一覧
道元年譜
道元関連禅宗法系図
ISBN:9784333028955
出版社:佼成出版社
発売日:2023/05/30