『母の支配から自由になりたい』

 

作品に込めた著者の思いや、執筆の動機が綴られた「はじめに」「まえがき」「プロローグ」などを「本のいとぐち」として紹介します。

 

はじめに


はじめまして。グラハム子と申します。私は数年前に『親に整形させられた私が母
になる』という漫画を描きました。フィクションを織り交ぜて物語の魅力を重視して描いたのですが、本作は、私の今までの人生をフィクションを入れずに描いています。

私は子どもの頃、親の意向で顔の整形をしました。整形だけでなく、進路や部活、就職など、生き方のほとんどを親に決められてしまいました。

そして自分で人生の選択をしてこなかったために、自分の好きなことや嫌いなこと、自分の感情さえわからない……気づけば完全に自分がいなくなっていました。自分が無いから、目標も楽しめるものもない。世間や他人の評価だけに依存して生きている。生きないといけないからしかたなく生きている……。

それは毎日がうっすらとした地獄のような日々でした。この本は、そんなうっすらとした地獄から、私がもがいてもがいて、どうにか脱出するまでのお話です。

子どもにとって、親の影響はものすごく大きいと思います。親に情緒的な問題があっても、子どもにはそれが当たり前だから気づけないんです。そして、ようやく気づけた頃にはもう大人になってしまっている。どんなに嘆いても、もう子ども時代は戻ってきません。それはつらくて、悔しくて、行き場のない憎しみに苦しんでしまうことでしょう。当然だと思います。だって長い間自分らしく生きる権利を奪われてしまっていたのですから。それどころか、子ども時代に歪んだ思考や価値観を身につけてしまったせいで、大人になってもなお苦しいのですから。

でも、じゃあこのまま一生苦しんで生きていくの? ずっと他人のせいにして嘆いていくの? と考えたら、それは絶対にイヤと思ったんです。もっと楽に、幸せに生きていきたいと痛切に思ったんです。そう思えた時から、私の人生は変わっていきました。スイッチを入れるようにパッと変わったわけではありません。歯車が回るように、ゆっくり、でも大きく変わっていきました。

もし今、親との過去から自由になりたいと頑張っている方がいたら、この本がお守りになってくれたら嬉しいです。 

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母の支配から自由になりたい 「私」を取り戻すための10のステップ成功
グラハム子・著 ¥1,540 (税込)

「あなたのためなのよ」の言葉で子どもを縛り、自身の価値観を押しつけてくる母。
自分を押し殺し、母の言うとおりに生きるしかなかった著者は心身を病んでしまう。
それでも、病を克服し、自らの手で自分の人生を取り戻すことができたのはなぜか──。
本書は、著者がどのように絶望を乗り越えて今に至るのかを漫画と文章で克明に描く、ノンフィクション作品です。

グラハム子
マンガ家、エッセイスト。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業後、公立中学校に美術教師として勤務。結婚を機に退職し、夫と二人の子どもと暮らしながら、SNSで育児絵日記の投稿を続けている。育児マンガやエッセイマンガをさまざまな媒体で連載中。著書に『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』(KADOKAWA)などがある。
(※略歴は刊行時のものです)

【目次】
はじめに
プロローグ うちの母、何かがおかしい?
第1章 私の生きづらさはどこから? まずはそれに気づくこと
第2章 心と体を休ませて、自分と向き合う
第3章 信頼できる場所を見つける
第4章 好きなことを見つける、やってみる
第5章 考え方のクセに気づく
第6章 白黒思考から自由になる
第7章 自分を許す、受け入れる
第8章 自分軸で生きる。答えは私の中にある
第9章 執着を手放す。親に受け入れてもらうことを諦める
第10章 自分で自分を育てる
エピローグ 人はいくつになっても変われる
解説 この本はきっとあなたの救いになる 名越康文(精神科医)

ISBN:9784333029105
出版社:佼成出版社
発売日:2023/11/30