読み物

  • 貧女の福徳

    聖武天皇の御代(奈良時代前期)に、奈良の都の大安寺の西の里に一人の女がいた。大変に貧しく、生きていくことさえおぼつかないほどに飢え苦しんでいた。
    ところで、世間では「大安寺の丈六(約五メートル)の仏様は、願い事をすぐに叶えてくださるそうだ」と評判で……