祭儀と注釈 ―中世における古代神話―
祭儀と注釈 ―中世における古代神話―
神話はいかに変容したか?注釈が新たに中世神話を創出し、王権-国家の起源を形成する歴史と、中世芸能世界の成立関係を読み解く。神話に「原始」を見る学問が主流を占めた時代に中世神話研究を牽引した記念碑的一冊。
【目次】
はじめに――中世における古代
Ⅰ 王権-国家の神話と祭儀
一 天孫降臨と大嘗祭
二 大祓の基本的構造
Ⅱ 儀礼国家の形成
一 儀礼国家の神話的位相(その一)
二 儀礼国家の神話的位相(その二)
Ⅲ 注釈における中世の発現
一 即位灌頂と神器
二 『中臣祓訓解』の世界
おわりに――王権伝承と芸能
あとがき
解説 我流の霜月の踊舞(ノヴェムバー・ステップス) 星優也
桜井好朗・著/星優也・解説
桜井好郎(さくらい よしろう)
1931年愛知県生まれ。1954年名古屋大学文学部史学科卒業。豊田工業高等専門学校助教授、椙山女学園大学短期大学部教授、佛教大学教授を歴任。2014年没。著書に、『中世日本の精神史的景観』(塙書房)、『神々の変貌』(ちくま学芸文庫)、『中世日本の神話と歴史叙述』(岩田書院)がある。
星優也(ほし ゆうや)
1991年京都府生まれ。博士(文学・佛教大学)。専門は日本中世宗教文化史・史学史・民俗学。 学校法人池坊学園池坊短期大学文化芸術学科専任講師・華道文化研究所研究員。主な共編著に『歴史と地域のなかの神楽』(斎藤英喜・八木透共編、法藏館、2023年)。近著に『中世神祇講式の文化史』(法藏館)、「大己貴神・第六天魔王同体説の形成――「虚言ヲ仰ラルゝ神」説の再検討から」(『池坊文化研究』第4号、2022年)、「中世神話と歴史学――桜井好朗の神話研究をめぐって」(『新しい歴史学のために』第293号、2018年)、「浄土神楽と法性神――藺牟田神舞「花舞」をめぐって」(『京都民俗』第35号、2017年)など。
ISBN:978-4831826572
出版社:法藏館
発売日:2023/11/10