縁起の思想
縁起の思想
「縁起」とは何か。「縁起」の思想はいかに生まれて育ったのか。そして誰が説いたのか。仏教史を貫く根本思想の起源と展開を探究し、その本来の姿を浮き彫りにする。仏教の常識を覆す画期的論考。著者長年の縁起研究の集大成。
【目次】
まえがき
Ⅰ 「縁起」とは何か
第一章 縁起思想の歴史
第二章 縁について
第三章 「縁起」と「一即一切」―「即」について
第四章 縁起説の根原の無常・苦・無我
Ⅱ 「縁起」と「関係性」
第五章 関係性の思想―仏教における自己ないし自己の現実との関係
第六章 関係(縁)・関係性(縁起)・関係主義(縁起説)
—「縁」から「縁起」への二つの仮説
第七章 関係と認識―十二支縁起説について
Ⅲ 初期仏教の縁起説
第八章 初期仏教の縁起説
第九章 「これがあるとき、かれがある」
第十章 此縁性(イダッパチャヤター)
第十一章 縁起説の正しい理解
第十二章 縁已生と縁起
第十三章 パーリ律「大品」とサンスクリット『四衆経』との縁起説
第十四章 縁起思想史におけるサーリプッタとナーガールジュナ
初出一覧
解説 一色大悟
索 引
三枝充悳・著/一色大悟・解説
三枝充悳(さえぐさ みつよし)
1923年静岡県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業、大学院(旧制)修了。ミュンヘン大学留学後、國學院大學助教授、筑波大学教授、日本大学教授、東方学院長等を歴任。筑波大学名誉教授。文学博士。Ph.D. 勲三等瑞宝章受勲。著書に、『東洋思想と西洋思想 比較思想序論』(春秋社)『インド仏教思想史』『世親』(いずれも講談社学術文庫)『仏教入門』(岩波新書)『大乗とは何か』(ちくま学芸文庫)『龍樹・親鸞ノート』『ブッダとサンガ 〈初期仏教〉の原像』『三枝充悳著作集』全8巻(いずれも法藏館)など多数。2010年10月19日、逝去。
一色大悟(いっしき だいご)
1980年愛媛県西条市に生まれる。東京大学大学院博士課程修了、博士(文学)。現在、東京大学附属図書館特任准教授。 インド部派仏教思想、およびその東アジア伝播と近代化を専門とする。主著、『順正理論における法の認識』(山喜房仏書林、2020)。
ISBN:978-4831826749
出版社:法藏館
発売日:2024/8/9