平田篤胤 狂信から共振へ
平田篤胤 狂信から共振へ
狂信的な国粋主義者か、はたまた魂の尊厳を問うた求道者か。民俗学と国粋主義の親和性とは。多角的な視点からファシズムを再考する。
【目次】
序章 狂信から共振へ【山下久夫】
Ⅰ 同時代との共振
第一章 『古史伝』の神代像と『香取志』『鹿島志』――共振を求めて 【山下久夫】
第二章「気吹舎」の出版活動と在地の「知」―――共振する伊豆国 【中川和明】
第三章 平田篤胤と近世仏教――《排除》と《包括》 【森和也】
第四章 近世知識人の怪異認識と平田篤胤――「天狗」理解をめぐって 【今井秀和】
第五章 『牛頭天王暦神辯』における吉備真備批判の意味――篤胤と近世祇園社との共振【鈴木耕太郎】
第六章「玄学」という名付け――ユニバーサルとパーソナル 【森瑞枝】
コラム①「一つの世界」のなかの平田篤胤――比較神話学の夜明けと篤胤 【彌永信美】
Ⅱ 時代を超えた共振
第七章 篤胤のなかの中世――その神学的方法に底流するもの 【小川豊生】
第八章 寅吉をめぐる冒険【三ツ松誠】
コラム②明治の平田家、平田胤雄と印行社 【相澤みのり】
第九章 柳田国男と「平田派」の系譜―――大国隆正と宮地厳夫に注目して 【渡勇輝】
第十章 平田国学とキリスト教 【齋藤公太】
第十一章 再生する平田篤胤――世紀転換期の「神道史」叙述における「事実」と「想像」をめぐって 【木村悠之介】
コラム③平田篤胤と酒井勝軍の神代文字観――「完全言語」として 【吉田唯】
第十二章 神仙・調息・ファシズム―――平田篤胤と近代異端神道をめぐって 【斎藤英喜】
あとがき
執筆者略歴
山下久夫・編/斎藤英喜・編
山下久夫(やました ひさお)
1948年生まれ。専攻は日本思想史・日本文学。博士(文学)。金沢学院大学名誉教授。主な著書・論文に『秋成の「古代」』(森話社)、『本居宣長』(笠間書院)、篤胤のトポス(『日本文学』53巻10号)、篤胤の「神話の眼」(清川祥恵他編『人はなぜ神話〈ミュトス〉を語るのか』、文学通信)ほか
斎藤英喜(さいとう ひでき)
1955年東京生まれ。日本大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、佛教大学歴史学部教授。専門は神話・伝承学。おもな著書に『増補 いざなぎ流祭文と儀礼』(法蔵館文庫)、『陰陽師たちの日本史』(角川新書)、『安倍晴明』(ミネルヴァ書房)他多数。
ISBN:978-4831862761
出版社:法藏館
発売日:2023/2/28