「無縁社会」に高齢期を生きる
「無縁社会」に高齢期を生きる
社会学の泰斗が語る“脱家族”社会の結縁力
森岡清美
1923(大正12)年、三重県生まれ。社会学者。
東京文理科大学哲学科倫理学専攻卒業。
文学博士。東京文理科大学助手、東京教育大学教授、成城大学教授などを歴任。
現在は、東京教育大学名誉教授、成城大学名誉教授、中央学術研究所講師他。
著書に、『真宗教団と「家」制度』(創文社)、『家族周期論』(培風館)他多数。
【目次】
はしがき
第一章 無縁社会の高齢者
Ⅰ 高齢期とその問題
1.高齢期とは
2.高齢者の問題──欲求の不充足
3.「無縁社会」
Ⅱ 独り住まいの高齢者
1.家族の外で生活する人びと
2.家族外生活者割合の推移
3.家族外生活者と幸福
4.老親放棄
Ⅲ 親の老後の世話は当然か
1.高校生の国際比較調査
2.大学生の小規模調査
3.全国青少年の反復調査
Ⅳ 家族への期待
1.一番大切なものは家族
2.家族に求めるもの
第二章 高齢者をめぐる家族
Ⅰ 高齢者にみる核家族化
1.核家族化のゆりかえし?
2.家族形態と家族理念
Ⅱ 核家族化のなかの三世代家族
1.三世代家族への注目
2.新しい家族意識
3.嫁と姑の摩擦
4.住宅供給側の対応
Ⅲ 親と既婚子との付き合い
1.同居契約
2.別居形態のさまざま
3.「緩やかな大家族」
第三章 介護との取り組み
Ⅰ 家族に介護は可能か
1.弱体化した介護機能
2.介護は他人の専門家に?
3.介護の外部化と社会化
4.家族と専門家との補完関係
Ⅱ 付き添い介護
1.見舞い
2.付き添い体験
Ⅲ 在宅介護を担う
1.男性による在宅介護
2.社会福祉サービス
3.家族が行う在宅介護
4.達成と限界
第四章 永別への対応
Ⅰ 死の周辺化
1.死亡パターンの変化
2.老少不定の時代
3.大衆長寿の時代
Ⅱ 家族の世俗化
1.家の宗教性
2.愛情の先祖の祭祀
3.太平洋戦争後の変化
Ⅲ 悲嘆の個人化
1.個人化と悼みの拡散
2.悲嘆からの立ち直り
3.亡き人と歩む思い、また会える希望
参考文献
著者略歴
奥付
「アーユスの森新書」の刊行にあたって
ISBN:9784333025480
出版社:佼成出版社
発売日:2012/7/30