法華経の新しい解釈
法華経の新しい解釈
立正佼成会開祖 庭野日敬(にわの・にっきょう/1906-1999)は、『法華経(妙法蓮華経)』に説かれる「菩薩の生き方」を自ら実践し、人びとの苦を受けとめ、喜びへとつながる道を共に歩みました。そうした自己の体験を踏まえて執筆された本書は、学問や宗派の枠にとらわれず、自身の実践のうちに見出された『法華経』の精神を、現代の視点に立って解説しています。その根源には、すべての人が必ず仏となれる“一仏乗”の真理が常に輝いています。『新釈法華三部経』全10巻の内容を凝縮し、『法華経』を知る入門書として好適の一冊。
庭野日敬
1906年、新潟県に生まれる。立正佼成会開祖。長年にわたり宗教協力を提唱し、新日本宗教団体連合会理事長、世界宗教者平和会議国際委員会会長などを務める。著書に『新釈法華三部経』(全10巻)『法華経の新しい解釈』『瀉瓶無遺』『人生、心がけ』『この道』など多数。1999年、入寂。
【目次】
はじめに
「法華経」はわかりやすい教え/一仏乗の教え/これからの仏教は世界の宗教
法華経の成立と伝弘
象徴的な表現/鳩摩羅什の翻訳/「法華経」はわが国文明の基礎/「法華経」は人間主義の教え
法華三部経の成り立ち
「無量義経」/序分、正宗分、流通分/迹門と本門・迹仏と本仏/「仏説観普賢菩薩行法経」
無量義経
徳行品第一
他教を排斥せず/供養/智慧/十二因縁/勤め難きを勤めたまえるに
説法品第二
六趣(六道)
十功徳品第三
当然の功徳/十悪
妙法蓮華経
経題の意味
経題の意味/「法」とは
序品第一
四諦/諸行無常/諸法無我/涅槃寂静/八正道/六波羅蜜
方便品第二
方便とは/三止三請/五千起去/開示悟入/ただ菩薩を教化したもう/あるものはただ一仏乗/五濁の悪世
譬諭品第三
成仏の保証/三車火宅のたとえ/三界はわが有・衆生はわが子/十四謗法と仏罰
信解品第四
「信」と「解」の意味/長者窮子のたとえ/高い姿勢と低い姿勢
薬草諭品第五
仏の十号/身口意の三業/現世安穏/自他一体/あるがままの姿を
授記品第六
授記/魔および魔事/くりかえしが大切
化城諭品第七
今日の意味/孤独地獄からの解放/創造が人生の喜び/結願の文/十二因縁(外縁起)/輪廻/業/十二因縁(内縁起)/一念三千/十界互具/十如是/如是相/如是性/如是体/如是力/如是作/如是因/如是縁/如是果/如是報/本末究●(きょう)等/百界千如/三世間/理の一念三千/事の一念三千/示教利喜/化城宝処の譬え
五百弟子受記品第八
半歩主義/衣裏繫珠の譬え
授学無学人記品第九
本願/総願/別願/密行/身近の人の教化
法師品第十
偶像崇拝と真の礼拝/高原穿鑿の譬え/衣・座・室の三軌
見宝塔品第十一
二処三会/六難九易の法門
提婆達多品第十二
悪人成仏/恨みをもって恨みに報いず/女人成仏
勧持品第十三
あらゆる生物の成仏/三類の強敵
安楽行品第十四
身安楽行/行処/親近処/口安楽行/意安楽行/誓願安楽行/髻中の珠の譬え
従地涌出品第十五
地涌の菩薩とは/四弘誓願
如来寿量品第十六
哲学か・倫理か・宗教か/仏教の窮極はやはり宗教/開近顕遠/開迹顕本/開権顕実/理性の教え/縁起観/諸行無常/諸法無我/涅槃寂静/三法印/四諦/八正道/真理に合った見かた/自分本位にものを見ない/かたよった見かたをしない/仮と空/中諦・中道/よく調和のとれた/弾琴の教え/目的に合った/六波羅蜜/禅定/瞑想でない瞑想/道徳的な瞑想/哲学的な瞑想/意識下の自己をどうするか/負った「宿業」をどうするか/自然に浮ぶ「念」をどうするか/宗教とはどんなものか/天然崇拝/精霊崇拝/呪物崇拝/トーテム崇拝 相対を絶対と見る誤り/科学で解決できることは科学に依る/死の苦しみ/生の苦しみ/絶対力を求める/救いは外側にはない/救いは内側だけにもない/自燈明・法燈明/法は内側にも外側にもあるもの/「法」すなわち「大生命」/宗教的瞑想/生かされているという自覚/南無/南無妙法蓮華経/科学の目で見れば/色即是空/空即是色/生きたいという力/「法」の人格化が「仏」/「現われる」とは「自覚する」こと/誠諦/見よ/来れ/「智」「慈」「行」が揃わねばならない/真如/如来/法身/報身/応身/道場/絶対の存在/本尊の確立/近きより遠きへ及ぼす 信根/精進根/念根/定根/慧根/肉眼/天眼/慧眼/法眼/仏眼/己身・他身/己事/他事/仏教こそ根本の教え/三界/生・死・退・出/在世及び滅度の者なし/実・虚/如・異/生活のうえにどう実践するか/仏事/本能は無記、貪著が煩悩を生む/妄見 ●(きょう)恣/厭怠/難遭の想/仏を見ざる者/恋慕渇仰/宗教の極致/顚倒/仏を見ぬゆえの誤り/だれにも仏心はある/教えを与えるにも慎重な用意/背くものへも変わらぬ仏の慈悲/自行が必要 滅度は慈悲の方便/ふたたび仏を見る/質直/柔輭/娑婆即寂光土/罪/三宝/仏/法/僧
分別功徳品第十七
無生法忍/聞持陀羅尼門/楽説無礙辯才/旋陀羅尼/不退の法輪を転ず/清浄の法輪を転ず/流通分の大切さ/四信五品/一念信解/布施/持戒/忍辱/精進/禅定/回向/略解言趣/広為他説/深信観成/滅後の五品/初随喜/読誦/説法/兼行六度/正行六度
随喜功徳品第十八
其の所聞の如く/力に随って/五十展転/須臾聞法
法師功徳品第十九
菩薩の四無畏/総持不忘/尽知法薬/善能問答/能断物疑
常不軽菩薩品第二十
仏性を拝み出す/一つの行でも根気よく/不惜身命と柔輭/信念はあくまでも曲げない/自行と化他の循環/遠く四衆を見ても故らに往いて/仏に値わず、法を聞かず、僧を見ず/法縁の尊さ
如来神力品第二十一
出広長舌/二門信一/毛孔放光/二門理一/一時謦欬/二門教一/俱共弾指/二門人一/六種地動/二門行一 普見大会/未来機一/空中唱声/未来教一/咸皆帰命/未来人一/遥散諸物/未来行一/通一仏土/未来理一/如来の一切の所有の法/如来の一切の自在の神力/如来の一切の秘要の蔵/如来の一切の甚深の事
嘱累品第二十二
仏の智慧/如来の智慧/自然の智慧
薬王菩薩本事品第二十三
菩薩は衆生の模範/最高の布施/塔を建てる意味/身をもってする供養/苦痛を苦痛とせぬ心境/十諭称歎/十二諭の利益/五五百歳/解脱堅固時/禅定堅固時/多聞堅固時/多造塔寺堅固時/闘諍堅固時/正法/像法/末法/三毒/焼身供養
妙音菩薩品第二十四
白毫相の光/法華三昧/理想と現実の相違/ことばの力/理想は現実化してこそ尊い
観世音菩薩普門品第二十五
観世音菩薩を念ずるとは/観世音とは/指導者としての理想/心の平和を現わす慈顔/観世音菩薩の願/悲に発した戒め/感応/慈悲にもとづく洞察力/平和なやさしい心/観世音菩薩が一つの目標
陀羅尼品第二十六
信仰者の和合を破る罪
妙荘厳王本事品第二十七
実証による導きが第一/家族を導くには/理想に燃える青年と賢明な母親/心の柔軟な父親/指導的立場の人の信仰
普賢菩薩勧発品第二十八
普賢の四つの行/諸仏に護念せらる/徳本を植える/正定聚に入る/一切衆生を救う心/四法成就/精神の習慣をつくる/我慢/邪慢/増上慢/少欲知足/法種を断つ罪
仏説観普賢菩薩行法経
導師や同信の人への懺悔/仏にむかってなす懺悔/仏性を洗い出し磨きあげる/煩悩を断ぜず五欲を離れず/但誦持するが故に/夢に普賢菩薩を見る/目を閉ずれば則ち見、目を開けば則ち失う/十力/三念処/釈迦牟尼仏のみ法を説きたもう/仏を見失う/仏・法・僧・戒・施・天を念ぜよ/眼根の罪/耳根の罪/香・味・触を貪る罪/諸仏如来は汝が慈父/舌根の罪/身と心の罪/端坐して実相を思え/慧日よく消除す
ISBN: 9784333007073
出版社:佼成出版社
発売日:2012/10/1