人生、心がけ
人生、心がけ
立正佼成会開祖 庭野日敬(にわの・にっきょう/1906-1999)による信仰随筆集。私たちが現実社会を生きていく上で、必ずと言ってよいほどわき起こるマイナスの感情……すなわち「欲にかられてむさぼる心」「怒りにまかせて責める心」「卑屈になって愚痴をこぼす心」。消しがたいこれらの感情(三毒)を制御することで、だれもが心の安定を取り戻すことができる。それがブッダの教えの真髄です。仏教の基本である三法印(さんぽういん)の解説をはじめとして、生老病死の受けとめ方、八正道(はっしょうどう)・六波羅蜜(ろくはらみつ)の実践など、ブッダが説いた教えを現代に生かす16章。
庭野日敬
1906年、新潟県に生まれる。立正佼成会開祖。長年にわたり宗教協力を提唱し、新日本宗教団体連合会理事長、世界宗教者平和会議国際委員会会長などを務める。著書に『新釈法華三部経』(全10巻)『法華経の新しい解釈』『瀉瓶無遺』『人生、心がけ』『この道』など多数。1999年、入寂。
【目次】
はじめに
1章 必ず変わる、それならよいほうへ
さりげないことほど難しい/簡単だから忘れている/すべては変化し続けている/人間、本来、丸裸/変化を見とおせるリーダー/人を動かすものは/ほんとうの客とは
2章 変化を自分の味方にする
一瞬一瞬が新しい/強く願うほうに変わる/なるようになる/苦があなたを救う/見逃しの三振だけは/切り捨てる勇気
3章 まず自分が変わること
何が自分をつくっているか/一人ではいられない/恩について/地球全体が一軒の家/出会いづくりの達人
4章 親子は見えない糸でつながっている
夫婦げんかも学習する赤ちゃん/「はい」と返事のできる子/躾よりも仕付けを/るとは/自信のない親/からだを動かさないと心も働かない/うるおいを失った社会
5章 善き人間関係
渇愛からの自由を/自己中心を捨てた安らぎ/他の中に私がいる/見捨てられた一匹の羊/挨拶一つで心が開く/共感能力を育てよう/人の運命を変える言葉/認められれば全力を尽くす
6章 苦があなたを救う
思いどおりにならないのが苦/得意のときの心のすき/あらゆる苦を滅する道/逃げるから追いかけられる/つまずいても石のせい/荒れ田を耕す
7章 逆さま状態では
人は自分の心で見る/逆立ちして見ている人/固定観念が視野を狭くする/静かな心に映るもの/何が大事か/失敗をどう生かすか
8章 言葉の力
思い込みがこわい/心の琴線にふれる言葉/るときは自分もる/身を焼き尽くすもの/向こう岸に渡るために/柔軟な心がいちばん
9章 思いどおりにならない自分
心の奥底にあるもの/脳の中の知らない記憶/すべてがしまわれている蔵/心の奥の奥まで浄める/「ならぬは人のなさぬなりけり」/素直に聞けるかどうか/貫く一本の筋
10章 知らない自分が私を動かす
すべては、ただ心のみ/表面の汚れに隠されているもの/自分の至らなさを知る心/ガタピシしない関係/一歩を譲る/鬼の子にも仏の心
11章 自分が大事なら人も大事に
ほんとうに自分が大事なら/異物を胎内で育てる母体の不思議/人のためが自分のため/社会への貢献を忘れた繁栄はない/身を守ってくれるガードレール/謙虚さに徹する人の底力
12章 人生の醍醐味
目標がないと挫折する/人生の醍醐味/半眼でよりよい人生を/地獄はどこにあるのか/二人の自分
13章 老いるとは
失うものがあれば手に入るものも/幸せは気づくもの/愛されるお年寄りになるために/頭もからだも使い切らなくては/チュンダの食事/病気がからだを守ってくれる
14章 死は次の世界に生まれ変わるため
死すべき命にとっての生きがい/よりよく自分を伝えるために/今日なすべきことをなせ
15章 聞こえますか人びとの呻き声が
ことの核心にふれると/共感から慈悲心が生まれる/忙しさに追われて心を失う/権理と権利/自分を見失う/いま何をするかが大事/慌てない功徳
16章 共生の時代を迎えて
心の持ち方が肝心/負けが人生を豊かにする/多財餓鬼が増えている/二十一世紀は知足の時代/宗教間の壁を超えるとき/平和をつくる者は幸せである/正直者は損をするか
出版社:佼成出版社
発売日:2017/11/30