構築された仏教思想 道元 仏であるがゆえに坐す

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道元(1200-1253)は、中国宋代の禅を日本に正しく伝えた(正伝した)禅僧とされています。本書は、道元が必ずしも禅を「正伝」したのではなく、中国禅を継承しつつ改変を施して再構築したという観点から、道元禅の実像を明らかにしようとするものです。時代や地域を超え、宗派や出家在家という線引きを越えて、「仏道を歩むとはどういうことか」を仏教徒一人一人に問いかける道元。その修証観の核心について、最新の研究成果を盛り込みながら簡潔・明快に書き下ろされた一冊です。


石井清純
1958年(昭和33年)、東京都に生まれる。駒澤大学大学院人文科学研究科仏教学専攻博士後期課程満期退学。専攻は禅思想・道元思想。曹洞宗宗学研究所研究員、駒澤大学仏教学部助手、スタンフォード大学客員研究員、駒澤大学学長などを経て現在、駒澤大学仏教学部教授を務める。単著に『禅問答入門』(角川選書)、監修に『禅と林檎――スティーブ・ジョブズという生き方』(ミヤオビパブリッシング)など、訳註に『原文対照現代語訳・道元禅師全集第十七巻――法語・歌頌等』(春秋社)などがあるほか、論文に「道元禅師における「古鏡」について」『三論教学と仏教諸思想――平井俊榮博士古稀記念論集』(春秋社)などのほか多数ある。

【目次】
序章 禅の基礎知識
1 禅の基本思想
2 道元禅の特徴

第一章 道元の略伝
1 出生
2 出家から禅との出会いへ
3 入宋、歴遊の旅へ
4 「身心脱落」
5 帰国、『正法眼蔵』の撰述へ
6 永平寺の開創
7 十二巻本『正法眼蔵』撰述、そして示寂

第二章 道元の著作
1 道元の著作について
2 『正法眼蔵』
3 『永平広録』
4 『永平元禅師語録(略録)』
5 『学道用心集』
6 『永平清規』
7 『宝慶記』
8 『普勧坐禅儀』・『弁道話』
9 『正法眼蔵随聞記』

第三章 初心の仏道
1 「吾我」の否定
2 「名聞利養を求めること」の否定
3 無常を観じる
4 正師につく
5 只管打坐へ

第四章 修行と坐禅
1 禅の伝統的修行観と道元
2 なぜ「坐禅」なのか
3 「正伝」について
4 中国禅と道元禅の連続面と非連続面――「磨?作鏡」と「非思量」の話

第五章 歩むべき道の確信
1 「身心脱落」
2 只管打坐――ただやるということ
3 Journey is the reward.――スティーブ・ジョブズと禅
4 「現成公案」と道元の「悟り」
5 現成公案の意味
6 「現成公案」巻における悟りの定義
7 不完全であることの認識――「修証」ということ

第六章 永平寺の運営
1 道元の出家主義
2 永平寺教団の運営形態について
3 俗弟子・在家信者と永平寺
4 中国五山・顕密仏教と永平寺
5 むすび

終章 道元禅の読み方
1 『正法眼蔵』「家常」巻
2 百丈の意図
3 如浄の立場
4 道元の主張
5 むすびにかえて

ISBN:9784333027279
出版社:佼成出版社
発売日:2016/1/15