森政弘の佛教入門
森政弘の佛教入門
ロボット博士の手によるユニークな仏教入門書。「本能は善か悪か?」「<自分>とはどこからどこまでか?」など、ロボット製作の過程で生まれた疑問から人間を探求し、仏教真理を導き出す。ロングセラーの新装版。
森政弘(もり まさひろ)
1927年…三重県に生まれる
1950年…名古屋大学電気学科卒業
1959年…東京大学助教授、工学博士を受ける
1969年…東京工業大学教授
現在………㈱自在研究所取締役社長、東京工業大学名誉教授
専攻………オートメーション工学、ロボット工学、創造工学
著書………『心眼』『「人がいい人」は「いい人」か』(佼成出版社)『「非まじめ」のすすめ』(講談社)『ロボコン博士のもの作り遊論』(オーム社)他
【目次】
新装版にあたって
まえがき
1 ロボット君が教えてくれる「自燈明」「法燈明」の教え
●ビリで入学、ビリから二番で卒業したのが縁で
●ジグザグ人生で出会えた一冊の本
●一本の指を知れば世界がわかる
●大自然の人間設計の理念の絶妙さ
●二千五百年も前に〝他由自在〟を説いた人
2 人類を救うのも滅ぼすのも本能の生かし方
●本能とは悪いものなのだろうか?
●神さまの立場から見てみると
●高等動物の人間はヘビとどう違う?
●新皮質こそ人間の苦楽のもとである
●傾く力を起き上がる力に使う知恵
3 どこまでが自分で、どこから他人なのだろうか?——すべてがつながり合っている(諸法無我)ことをロボット君は、こう説明する
●食べた食物はいつから自分になるか?
●アフリカのライオンがぼくの体になる
●自分とは密度が濃いところ
●よりよくつながるために個性がある
●頭を下げると世界はうまく流れる
4 押してダメなら引いてみよう——世の中を円滑にする能捨の心
●ぼくは、水になりたい!
●人間は粉に似ている
●粉が改札口をうまく通る法
●押しの一手ではハエと同じこと
●ソフトウェアでつながった人間の生き方
5 「3」が開いて見せてくれる世界——「実相」を見通すことのできる目
●埋められた宝物を掘り当てる方法
●やわらかくて強い「3」という数
●「3」を忘れると話し合いが成立しない
●席を変えると世界が変わる
●耕された〝やわらかい頭〟をつくるには
6 遠い結果を予測する眼力を養う法——「因果」の理法を明らかに見られなくてはこの社会は破滅する
●水を加えたのに、水が減った
●四つになると思い通りにならない
●大きい車は回りが遅い
●「五眼」を具えれば因果が見える
7 〝一ダースなら高くなる〟技術を育てたい——ロボット君の「少欲知足」の勧め
●機械に罪はなすりつけられない
●マイナスとマイナスが掛け合わさると
●凶器のドスが命を救うメスになる
●貪欲とは爆弾が爆発するカーブ
●チョウを見習えば人も救われる
8 〝量の変化〟に幸せを求めていくと自滅する——「諸行無常」の世界に生きる人間の幸福の構造
●お釈迦さまの教えで微分方程式がわかる
●ゴリラに鼻毛が生える〝流れ〟も諸行無常
●熱いお風呂が熱くなくなる〝慣れ〟の構造
●所得倍増がどうして不安になるか?
●苦楽が人間の生きがいの道しるべ
●〝わび〟がどこで華美に変わるのか
9 〝安全は第二〟であってはじめて真の安全——ロボット君の重心と不惜身命
●安全装置が完備するほど危険がふえる
●コンクリートのトーチカ生活は安全か?
●身を捨てて生きてこそ安全がある
●広大智慧観を具えると真実が見える
●足元に重心がある安定な体では歩けない
●ぶら下がる人間ばかりでは大会社も危険
10 「逆説」から「功徳」が生まれてくる——目に見えない世界を〝観る〟力
●常識がうっかり見落としているもの
●忘れないと覚えられない頭の仕組み
●二本足で立ったために虫歯ができた
●〝境め〟は、よくつながるためにある
●タメが正しく働かぬと自他ともに滅ぶ
11 他力に素直に従ってこそ自力が生きる——このピンチを乗りきる〝受動〟の構え
●風の力で風に向かって走る不思議な車
●道具の素直な受動のお陰で生活できる
●洋服もクツも自動車も自分の体の一部
●バラバラの物が一つに見える仏さまの眼
●スキーの極意でピンチを乗りきろう
12 ロボット君が描いたお曼荼羅——時間と空間、理性と感性を超えた調和の世界
●仏さまの世界へロボット君の旅立ち
●胸突き八丁をのぼれば世界が見えてくる
●次郎長親分が教えてくれる仏教の核心
●法輪を転ずるのにはタイヤがいる
●理性と感性がつり合ってこそ仏さまに
ISBN:9784333020010
出版社:佼成出版社
発売日:2003/3/30