釈尊の人間教育学

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仏教の碩学が釈尊とのダイアローグからひもとく、人間教育のエッセンス。仏教の原点ともいえるパーリ仏教から諸事例を引用しながら、釈尊の教化のあり方を具体的に説く。人を導き、育てるための人間教育学。

水野 弘元 
1901年佐賀県生まれ。東京大学文学部印度哲学科卒業。駒沢大学名誉教授。著書に「釈尊の生涯と思想」「経典」「仏教要語の基礎知識」「仏教の基礎知識」「釈尊の生涯」など。

【目次】
はじめに 

第一章——教育の目的と仏教 
教育の目的 
智慧を育てる 
仏教は法を説く人間学 
釈尊の最初の教化 
宗教教育の必要性 

第二章——「法」とは何か 
仏教の法 
法の四つの意味 
カントの真・善・美と聖 
法の基本——四法印 
理想と実践 

第三章——指導者の教え 
指導の三つのポイント 
教師の役割 
後ろ姿で人を導く 
教育者の四つの視点 
指導者はサンガ 
サンガの役割 

第四章——人間教育の目標 
凡夫から聖者へ 
世法即仏法 
自我と無我 
自らを灯明とする 

第五章——「観」の教育 
死者を見せる教育 
人を見て法を説く 
じっくり観る止観 
無明が苦悩を招く 

第六章——四つの教育段階 
四つの教育方法 
生徒の個性に合わせた教え 
対症療法による指導 
究極の教え 
空とは何か 
一水四見 

第七章——教育者の眼 
いじめの克服 
善と悪の価値観 
八正道の実践的活用 
正しいとは 

第八章——「育てる」ということ 
厳愛の二法 
アヌルッダの天眼 
中道を歩む 
智慧に基づく教化 
平静を保つ 
釈尊説法の六つの基準 
指導教化の基本は布施 
摂受と折伏 

第九章——方便と譬喩の教え 
型にはまらない教育 
相手に分かりやすく説く 
起こさしめる教育 
たくみな譬え 
教化の工夫——譬喩と方便 

第十章——「仏性」を観る 
仏教の平等観 
インドの階級説と仏教 
アッサラーヤナの質問 
仏性とは 
生物の遺伝子機能 
すべてに対する仏性観 

第十一章——修道の教え 
人間学としての仏教 
教化の二本の柱 
段階的に教えを説く——次第説法 
六方礼経とナンダの出家修行 
ひとつの道を歩む——一乗道 
初歩の聖位に入る 
菩提心を起こす 

付記——語句解説 

ISBN:9784333017027
出版社:佼成出版社
発売日:1994/7/5