唱えるという生活 お題目が導いてくれるほんとうの幸せ
唱えるという生活 お題目が導いてくれるほんとうの幸せ
暮らしや信徒との触れ合いの中で、仏の慈悲に気づいた信仰体験を中心とする仏教エッセー。さまざまな温かいエピソードを通して、信仰の功徳、お題目を唱える大切さを語ります。日蓮宗の布教季刊誌『まんだら』で10年続いた連載を厳選し、加えて自身の半生を新たに書き下ろしました。
また、法華経の教え、信心についても易しく解説します。日常的に仏閣参拝を行う日本でも、その主な目的は家内安全や金運増大などの祈願。お題目を唱えてさえいれば願いが叶う、幸せになれると信じている人もいます。果たしてそれが本来の信心と言えるのか――著者はそこにも切り込みます。
仏教が本来教えているのは、一人ひとりが他者と共に幸せになろうという慈悲の心を養うことです。自ら感謝と慈しみと敬いの心を育み、その心で生活するからこそ接する人の態度や気持ちも変わっていき、自他共に幸せな気持ちを味わえる。これが信心の功徳であるのだと著者は強調するのです。その功徳になぜお題目が必要であるのかを、エッセーと解説の中で易しく説きます。
長年お題目に生きてきた著者が、お題目や信心の力、人間としての本当の幸せを味わえる生き方とは何かを示します。心穏やかに日々を過ごすためのヒントが満載です。
瀬野妙佳
1945年、横浜生まれ。立正学園女子高等学校卒業後、母親の営む布教所「日蓮宗妙光結社」で活動を補佐する。母の下で仏道修行に励む男性と結婚。やがて教職を辞して僧侶となった夫をサポートするため、自身も80年に出家(得度)。信徒一人ひとりの苦楽に寄り添い、法華経と日蓮聖人の教えによる教化に励む。仏道に生きる喜びとお題目の持つ力を多くの人に伝えたいと、講演や執筆にも取り組んできた。日蓮宗の布教季刊誌『まんだら』で10年間にわたり「みんな仏の子」を連載。仏の教えに基づく生き方や、生活に根差した信仰体験が好評で反響を呼ぶ。
【目次】
序文 立正大学特別栄誉教授 渡邊寶陽
はしがき
第一章 歩んできた人生の道のり──法華経を生きて
両親のこと
つらかった少女時代
母との死別
布教所を閉じる決意
結婚に至るまでの経緯
夫の出家
無縁供養と不思議な体験
出家の決意
大きな転換──仏さまの教えをよりどころに
夫の病もお釈迦さまの手立て
二十一日間の滝修行──果たすべき使命を授かる
授かった使命の実現
山寺の復興
社会に向けての布教
激痛も仏さまのお導き
出版に向けて
第二章 仏の道を行く
自分が変われば相手も変わる──仏ごころでする介護
メディアの責任と私たちの責任
仏さまのお導きは絶妙なタイミング──お釈迦さまはいつも私たちの傍らに
より良く老いる──超高齢社会のなかで
慈愛と信念が生んだ奇跡
物の財より心の財
老人と空き缶──仏ごころが仏ごころを呼び起こす
周囲は自身の心を映す鏡
被害者意識を捨てて自身を省みる──たたりは自分の心がもたらす作用
事故によって芽生えた信仰
信心で変わった風貌
圧迫骨折が教えてくれたこと
解雇によって得た〝さとり〟
見事な連携プレー
第三章 慈しみ・敬い・感謝、そして使命感
我が子は〝仏さまからの預かりもの〟
お盆やお彼岸に思うこと──日頃の行いが回向となる
教えを学び、身に付ける功徳
あなたの命はみんなの命──幸せは周囲と共にある
後世に伝えたい〝合掌の文化〟
常不軽菩薩の精神に学ぶ
台風で知った仏さまのお導き
言葉に宿る仏さま
悲鳴を上げている自然界
ファミレスとコンビニで若者と向き合う──忠告は慈しみをもって
幸せへ導く感謝の心
第四章 お題目の力
祈りのお題目より感謝のお題目
まずは周囲の幸せを願う──純粋なお題目で消えた癌
お題目は身と心の良薬
お題目による種々の蘇生
第五章 あらゆるものに宿る仏のいのち
誰もが持っている仏のこころ
どんなものにも伝わる真心──お題目は草木にも通じる
たかがSL、されどSL──物の姿にもなる仏さま
愛情に応えてくれた愛車
お金は生きている──〝お金さん〟の成仏
トイレは〝ご不浄〟ではなく〝聖地〟
すべての生命はつながって一つ──すべてはお釈迦さまの生命の一部
猫から学んだ仏さまの教え
第六章 法華経・日蓮聖人からのメッセージ
自己本位という〝我〟が作る壁──狭い心と広い心
成仏とは
すべての仏さまは「一念三千」を悟って成仏
「一念三千」ということ
一念三千は法華経の要であり、全仏教の要
一念三千の教えが導く精神
私たちは一念三千を悟れない
私たちはお題目によって成仏する
お題目がもたらすもの
本章のまとめ
あとがき
ISBN:9784333028252
出版社:佼成出版社
発売日:2020/04/28