座標軸としての仏教学 パーリ学僧と探す「わたしの仏教」
座標軸としての仏教学 パーリ学僧と探す「わたしの仏教」
思想と信仰との間で我々は何を規範とし、何を選択するのか。気鋭のパーリ語仏教文献学者が探る。
2500年の歴史をもつ仏教の特徴は「多様性」にあるといわれます。著者自身も、在家に生まれて広告会社を起業したのち、浄土信仰や『法華経』に親しみ、天台宗での得度を経て、現在はパーリ仏教の研究者として活躍中です。本書は、著者が自身の信仰遍歴と研究に基づいて、原始仏教―インド大乗仏教、中国仏教、日本の仏教導入期から現代の宗派仏教までをやさしく解説します。読者一人ひとりが「自分の仏教」をつかみとれる仏教書。
勝本華蓮
1955年(昭和30年)、大阪府に生まれる。1991年に天台宗青蓮院門跡にて得度。佛教大学文学部仏教学科卒業、京都大学大学院文学研究科文献文化学専攻博士課程単位取得退学。博士(文学・花園大学)。専攻はインド仏教学、パーリ学。花園大学非常勤講師、叡山学院専任講師、天台宗教学財団特別研究者、姫路市立生涯学習大学校講師、スリランカ国立ケラニヤ大学パーリ学仏教学大学院客員研究員等を経て現在、東方学院講師を務め、執筆を中心に活動。著書に『チャリヤーピタカ註釈――パーリ原典全訳』(国際仏教徒協会、2007年)、主な論文に「菩薩と菩薩信仰」(『大乗仏教の実践――シリーズ大乗仏教3』所収、春秋社、2011年)等のほか、研究論文を多数執筆。また最近は、『尼さんはつらいよ』(新潮新書、2012年)など、一般向けの仏教書の執筆や雑誌等への寄稿も多い。
(※略歴は刊行時のものです)
【目次】
まえがき
第一章 もとはといえば〈覚りの仏教〉
第二章 うまずたゆまず〈解脱への修行道〉
第三章 あいまいもこ〈小乗と大乗の境界〉
第四章 よりどりみどり〈大乗仏教の教義〉
第五章 めぐりめぐって〈東南アジアの仏教〉
第六章 つまるところ〈日本の仏教〉
第七章 なにはともあれ〈日本仏教の変容〉
第八章 ひととおりでない〈仏教の実践〉
あとがき
参考文献
索引
ISBN:9784333023806
出版社:佼成出版社
発売日:2009/5/30