道心は国の宝
道心は国の宝
伝教大師・最澄の生誕から天台宗開創までを語り、現代にも脈々と生き続ける最澄の思想、また、最澄が残した名句を現代人向けにわかりやすく説いた“こころの書”
山田恵諦
天台座主。明治28年、兵庫県に生まれる。
天台宗西部大学卒業。比叡山滋賀院門跡、比叡山延暦寺執行、天台宗教学部長、天台宗勧学院院長等を歴任。主な著書として、『法華経と傳教大師』(第一書房)、『山田恵諦法話集』(平凡社)など。
(※略歴は刊行時のものです)
【目次】
Ⅰ 比叡山開創と現代
宗教の生命
伝教大師の生涯
『願文』の精神
『法華経』のこころ
『経師勧行』と止観
『山家学生式』と教育
戒律について
家庭宗教のすすめ
Ⅱ 伝教大師のことば
我が為に仏を作る勿れ、我が為に経を写す勿れ、我が志を述べよー一心伝述戒文
悠々たる三界は、純ら苦にして安きことなしー願文
一身弁じ難く、衆力成じ易しー作鴻鐘募琉
大道未だ弘まらず大人興り難しー山家学生式
古師謬あらば、新師改むべしー守護国界章
因なくして果を得る、この処あることなしー願文
我生まれてより以来、口に麤言なく、手に苔罰せず。今、我が同法、童子を打たずんば、我がために大恩なり。努力めよ、努力めよー臨終遺言
悪事を己に向え、好事を他に与え、己を忘れ他を利するは慈悲の極みなりー山家学生式
道心の中に衣食あり、衣食の中に道心なしー一心伝述戒文
一日の羅は鳥を得ること能わず。一両の宗、何ぞ普く汲むに足らんー天台法華宗年分縁起
最下鈍の者も十二年を経れば必ず一験を得るー顕戒論
径寸十枚是れ国宝に非ず。一隅を照らす、此れ則ち国宝なりー山家学生式
大海の水は蚊飲を遮せずー顕戒論
智如来に等しうして、他の徳を平すべしー顕戒論
国宝とは何者ぞ。宝とは道心なり。道心有るの人を名づけて国宝と為すー山家学生式
ISBN:9784333012800
出版社:佼成出版社
発売日:1987/5/11