庵主さんが翔んだ

明治から昭和にかけての時代背景の中で、一人の女性が尼僧としての道を選び、その人生を力強く生き抜いた姿を描く物語。幼少期からの数奇な運命や家族との葛藤を丁寧に紡ぎながら、仏道を通じて得た人生の知恵がやわらかく語られる一冊。

雲輪瑞法
1926年愛知県に生れる。1950年駒沢大学を卒業後、東京・三鷹の観音寺尼僧専門道場で修業。現在、愛知県知多郡南知多町の曹洞宗、大宝寺住職。尼僧としての優れた見識と豊かな人生体験をもとに、テレビや講演会などでユニークな活動をつづけている。寺の傍らに軽費老人ホームを設立準備中。著者に『瑞法の尼寺日記』『瑞法の尼寺めぐり』（いずれも大法輪閣刊）（※略歴は刊行時のものです）

【目次】
第一章
　のぞき紙芝居
　坊さん志願
　散切頭
　蒲団の臭い
　南天の葉っぱ
　雲水修行
　新住持
第二章
　誕生
　白兎
　池の鯉
　三流娘
　爺や
　プロの尼
　うなぎとみかん
　お稽古
　尼安居
　私生児
　五目飯説法
第三章
　文学少女
　落飾
　ライバル
　紅い唇
　男装の麗人
　正師
　バス托鉢
　ナイトツアー
第四章
　マスコミ戦争
　ピンク・オブ・ピンク
　弟子第一号
　温き骨
　親不孝
　老グルメ
　終焉
あとがき

ISBN：9784620308876
出版社：佼成出版社
発売日：1992/9/5