ちえうみ
永遠への愛と信
永遠への愛と信


受取状況を読み込めませんでした
高村光太郎と智恵子、宮沢賢治と妹のとし子、良寛と貞心尼らの生き方を通じて、「永遠なるものへの愛と信」に根ざした生き方を説く。著者・紀野一義が、仏教の視座から、現代人が忘れかけた“本質的な生”を探求。詩や宗教、民話、哲学に触れながら、愛と信頼に満ちた人生の美しさを静かに語りかける。エッセンシャルな生を志す人に贈る一冊。
紀野一義
大正十一年、山口県萩市に生まれる。昭和二十三年、東京大学文学部印度哲学科卒業。宝仙学園短期大学学長。真如会主幹。〈主要著書〉『いのちの風先』(筑摩書房)、『親鸞と生きる』(光文社)、『維摩経』(大藏出版)、『名僧列伝』(文芸春秋)、『こころの故里』『風と光の国インド』『中国五大石窟の旅』『法句経講義』(以上、佼成出版社)
(※略歴は刊行時のものです)
【目次】
はしがき
Ⅰ 永遠なるもの
光太郎と賢治の詩
エッセンシャルとトリビヤル
智恵子の空
女人の無限
私にはあなたがある
さわやかな歓喜
Ⅱ 死を見つめつづけた詩人
無明のさなかにありて
賢治と村上昭夫
真実を美しく見すえる
宇宙は会うことだ
安全なる航海
牛の目のなかに
鬼子母神の心
それが天なのだ
木蓮の花のごとき人
雪が降り始める時
Ⅲ 賢治とその妹への愛
無声慟哭
とし子の願い
賢治の心の転回
風の中に立てばおもいだす
とし子への挽歌
Ⅳ 文学と伝説の中の女性たち
「松風」ーー不思議な愛欲の美
娑婆にての妄執
「熊野」ーー愛欲と恩愛の岐路
別離
「祇王」ーー愛の哀しみと諦念
転落の譜
漆黒の暗夜にさとる
「地蔵和讃」ーー大悲のこころ
女人が菩薩になる
地蔵の十輪
Ⅴ 女人成仏ということ
提婆達多品の女人成仏
変成男子の必要性
法然の念仏
迷いはどうしようもない
生涯に二度の成仏
天女と舎利弗の問答
道元の人間観
日蓮と日妙聖人
Ⅵ 永遠への愛に生きる
すさまじき尼僧たち
良寛と維馨尼
天寒し、自愛せよ
良寛と貞心尼
はちすの花匂う
苦悩を超越した中村久子
死ぬこともできなかった母
泥中の蓮花
生かされているこのひととき
終焉の記
Ⅶ もろげなるうなじ高くかかげ
かよわき花
デクノボーになりたい
柔和質直なる者
柔和質直の原語
柔軟心
受動性の極致に生きた人
流人なれども日蓮は
ISBN:9784333013975
出版社:佼成出版社
発売日:1989/7/10