ちえうみ
人生と仏教 運命をつくる力 仏教の歴史観
人生と仏教 運命をつくる力 仏教の歴史観


受取状況を読み込めませんでした
生きがいとはどこにあるのだろうか。その手がかりを仏教に求めて、社会と人生のあり方を追求した人生書《人生と仏教》シリーズを電子復刊。「人類は宗教なしですますことは決してなかった」とベルグソンはいう。宗教とは何かの考察に始まり、次に神を有する宗教と神を有しない宗教とに大別する。神を有しない仏教には仏が存在する。仏の系譜を探る一方、法を求めて、特にその宗教性を明らかにする。こうして宗教としての仏教のあり方を見極めていきたい。
芳村修基
明治41年広島県に生まれる。昭和14年東北大学法文学部印度哲学科卒業。現在、龍谷大学文学部教授。文学博士。主著「The Denkar-ma」「Tibetan Buddhi-stology」「西域文化研究」「仏教教団の研究」(※略歴は刊行時のものです)
【目次】
第1章 運命というもの
1 歴史と運命とはどう違うのか
運命についての正しい理解
長者窮子のたとえが教えるもの
疎外された人間の心性と行動
自分を客観的に見る目
2 運命をどう捉えるか
人生の不思議さと運命
ロダンは運命をどう戦ったか
調和のある生きがい
運命の軌道と社会の変化
ベートーベンの運命観
生存の危機から脱出
3 運命との戦い
太子シッダールタの宗教への目ざめ
生存の意味を探求する
第二章 歴史と人間
1 タテのつながりとヨコのつながり
太子シッダールタの悟り
生活のなかの依存関係
個人の世界を超えた正覚の内容
運命に支配されぬ人生の基調
2 人間存在の探求
合理と人間性の確立
際限のない欲望の世界
欲界の真相
人間の真実性と三界
超えがたい死の問題
欲界から解脱する試み
3 無意識の世界と悟り
意識があるから非意識がある
悟りと実相の世界
十如是の真意
静かに慮る姿
形相の領域
第三章 歴史とその進展
1 歴史の断層
偏った歴史区分
最澄のすんだ鋭い歴史眼
中国仏教の変遷
仏教と地域とのつながり
歴史における因・縁・果
化城諭品のたとえが教えるもの
歴史を動かすのは人間か社会か
治めるもの、治められるもの
2 未来への志向性
予見についての考え方
仏教の「三世」「三界」観
龍樹論師の人生観に学ぶ
生いたち
出家の動機
3 新興の仏教集団
既成仏教の堕落
なぜ教団は分派するか
諍いをとどめる論
仮の事実と仮でない事実
存在とは意味づけられるもの
バラモンとの論争
国王との論争
小乗の説法師との問答
4 ブッダの真意は正しく伝えられているか
中国に仏教は生きている
教団の内部分裂の形態
ホンモノとニセモノの仏教者
第四章 運命をつくる道
1 仏教形態のいろいろ
仏像と歴史社会の関係
仏教建造物の美
南方仏教の課題
生と死、運命との対決
ソビエトにも宗教は生きている
2 ブッダの真意とは何か
僧団規則の意味するもの
出家修行者の誓い
第五章 ひじりへの道
1 日本仏教と民衆とのつながり
仏教受容の経過
行基は、はたして異端なのか
貴族社会と仏教の退廃
出家者の新しい運動
2 教法と歴史社会との断層
平安仏教の栄華と退廃
民衆に教えを説いた「念仏聖」
3 民衆とともに生きた宗教家たち
空也
源信
良忍
法然
親鸞と法然との出会い
他力本願とは何か
終章 終末と末法の思想
1 唯物史観と運命史観
仏教の「異に熟する」見方
一様ではない歴史の法則
真実の歴史
歴史を超えた「正覚者」
2 宗教の歴史観
アポロ11号と終末の世界
事故の確立をどこに見いだすか
歴史社会の変遷と自灯明・法灯明
出版社:佼成出版社
発売日:1970/10/1
Share
