ありのままの自分 : アイデンティティの常識を超える
ありのままの自分 : アイデンティティの常識を超える
これが、ブッダのアイデンティティ論
「自分」の謎を仏教が解き明かす
「ありのままの自分」を発見することは
常に変化し続ける自分の「顔」に気づくこと。
さらに「悟り」とは、本音でも建前でもない、
たった1つの「心」を発見することです。
「ありのままの自分でいたい」「本当の自分を見つけたい」――そう考える方もいらっしゃると思います。しかし、人間は複数の「顔(性格や心)」を持っています。「自分」というものは絶え間なく変化するものであり、確固たるものではありません。このとらえどころのない自分に振り回されないためには、どうすればよいのでしょうか。自分自身を正しく発見し、幸福に生きるための方法を、お釈迦様の智慧から学びます。
【各章の紹介】
◆第1章 本音と建前
〔本音の気づきと浄化〕
人は本音と建前という二重構成で生きていますが、本音と建前の違いが苦しみの原因になっています。人は建前を演じ続けることで、本音をいじめています。そこで仏教は、本音を清浄にすることを勧めます。本音に気づき、自己管理することが、幸せへの道なのです。
◆第2章 さまざまな顔を持つ自分
〔顔の“在庫管理”〕
自分の顔は一つしかないものでしょうか? 実は違います。社会に見せる顔(性格)は、一人の人間の中に複数あり、変化するのです。そして、たくさんの顔を持っていれば、顔の“ 在庫管理”が必要になります。この章では、変化する自分にどう向き合うかを考えます。
◆第3章 自己欺瞞の方程式
〔複雑な心の働き〕
心は、複雑に絡み合っていて、理解しがたい働きをします。「自己欺瞞」もその一つで、心の複雑な働きにより、自分で自分をだますことがあります。ですから、ありのままの自分を知るには、自分でも気づかないうちにおこる心の働きについても理解する必要があります。
◆第4章 本当の自分に出会う
〔自己観察による自分の発見〕
あなたは自分に出会ったことはありますか? そもそも自分自身とは何でしょうか。「正直な自分」が自分自身なのでしょうか。第4章では「正直」の真の意味と、心の「だまし機能」によって隠れる自分の性格を知り、自分に出会うための五つのステップを見ていきます。
◆第5章 ありのままに生きられる幸福
〔究極の自由と常に変わらぬ心〕
本音と建前の対立こそが苦しみの原因です。しかし、今の瞬間の自己をありのままに観察するヴィパッサナーによって、その苦しみは解消できます。無智という土台を攻撃し、土台の上にある怒りと欲を落とす。すると本音が真理をありのままに知ることになるのです。
アルボムッレ・スマナサーラ
ISBN:978-4904507940
出版社:サンガ新社
発売日:20230901